Deep Insider の Tutor コーナー
>>  Deep Insider は本サイトからスピンオフした姉妹サイトです。よろしく! 
書籍転載:エンタープライズアジャイルの可能性と実現への提言

書籍転載:エンタープライズアジャイルの可能性と実現への提言

書籍『エンタープライズアジャイルの可能性と実現への提言』から全3本の記事を転載。

エンタープライズアジャイル勉強会
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

書籍転載について

 本コーナーは、インプレスR&D[Next Publishing]発行の書籍『エンタープライズアジャイルの可能性と実現への提言』の中から、特にBuild Insiderの読者に有用だと考えられる項目を編集部が選び、同社の許可を得て転載したものです。

 『エンタープライズアジャイルの可能性と実現への提言』(Kindle電子書籍もしくはオンデマンドペーパーバック)の詳細や購入はAmazon.co.jpのページをご覧ください。

 

 本書はダイレクトに顧客と連携しながら反復的に開発を行い、柔軟に変化に対応することを狙う「アジャイル開発」について、すでに浸透しつつある開発チーム単位から、より大きな組織向けにスケールアップした「エンタープライズアジャイル」として事例を基に考察した書籍です。

 まだ数少ない国内のエンタープライズアジャイル導入事例の紹介と、そこから得られたノウハウを豊富に紹介しながら、エンタープライズアジャイル導入への道筋を明らかにしています。

【目次】

1. アジャイル開発とスクラム

1.1. アジャイル開発とは

1.2. スクラム

2. エンタープライズアジャイル探求の軌跡

2.1. よく見られるアンチパターンと落とし穴、その対策

  2.1.1. 「うちでもアジャイル開発やってみました」アンチパターン
  2.1.2. 「うちでもアジャイル開発やってみました」パターンを考える
  2.1.3. まとめ

2.2. エンタープライズアジャイルの関心事

  2.2.1. 戦略
  2.2.2. 戦術
  2.2.3. 普及/転換
  2.2.4. 日本固有の問題

3. エンタープライズアジャイルの実例

3.1. 事例の概要紹介の方針

3.2. 事例紹介

  3.2.1. 東京海上日動システムズの事例
  3.2.2. KDDIの事例
  3.2.3. 新日鉄住金ソリューションズ株式会社
  3.2.4. コベルコシステム株式会社(株式会社神戸製鋼所)の事例
  3.2.5. 株式会社ゼンアーキテクツ(キャプラン株式会社)の事例
  3.2.6. 楽天株式会社の事例
  3.2.7. 株式会社リクルートライフスタイルの事例
  3.2.8. ウルシステムズ株式会社(製造メーカー)の事例
  3.2.9. ニッセイ情報テクノロジー株式会社の事例
  3.2.10. 株式会社オージス総研(顧客企業名非公開)の事例

付録

参考文献

 

はじめに

 日本でもアジャイルによるシステム開発は小さなチーム単位では徐々に浸透しているが、より大きな組織やシステム向けにスケールアップされた「エンタープライズアジャイル」は一般的にはなっていない。わたしたちエンタープライズアジャイル勉強会は、エンタープライズアジャイルの普及に向け、事例研究やノウハウの共有を行っている。本書はエンタープライズアジャイル勉強会での講演や研究から派生し、直面する様々な課題とその解決策を共有することを目指すものである。

 エンタープライズアジャイルには、以下の3つの可能性があると考えている。

  • 第1の可能性: 業務の変化に対応し、基幹系やバックオフィス系のシステム(「エンタープライズシステム」)を効果的に開発するためにアジャイル開発を適用する
  • 第2の可能性: 競争力に資する製品やサービス、戦略的システムを開発するためにアジャイル開発や反復開発を大規模に適用する
  • 第3の可能性: 変化により良く対応できる、活力のある組織を実現するために企業や事業部をアジャイル化する

 エンタープライズアジャイル勉強会の主対象は、アジャイル開発や反復開発の発注者となるユーザー企業、製造メーカー、Webサービサーとそれらの情報系子会社の管理職の方々であり、本書の読者層にもそれらの方々を想定している。

 本書は、以下の3章で構成される。

第1章:アジャイル開発とスクラム
第2章:エンタープライズアジャイル探求の軌跡
第3章:エンタープライズアジャイルの実例

 第1章では、チーム単位のアジャイル開発を理解するために、アジャイル開発の特徴とスクラムでの開発の流れを概説する。第2章では、アジャイル開発に取り組む際の典型的なアンチパターンをまず説明し、さらにそのようなアンチパターンを防ぐための提言を当勉強会の実行委員の講演に基づいて提供する。第3章では、実際にエンタープライズアジャイルの実践事例を講演資料を基に紹介する。

 最後に、エンタープライズアジャイル勉強会発足のきっかけを作り、現在もスポンサー会員として勉強会を支援して下さっているアドソル日進、コベルコシステム、オージス総研の各社にこの場を借りて御礼を申し上げる。また、準備委員会の時代から今に至るまで勉強会のセミナーに参加して下さった会員と一般の参加者の方々にもこの場を借りて感謝の意を表したい。

役名 氏名 所属会社と役職名
実行委員長 藤井 拓 (株)オージス総研 技術部アジャイル開発センター センター長
副実行委員長 山岸耕二 (株)メソドロジック 代表取締役社長
実行委員 平鍋健児 (株)永和システムマネジメント 代表取締役社長
(株)チェンジビジョン 代表取締役社長
実行委員 中山嘉之 (株)アイ・ティ・イノベーション ビジネステクノロジー戦略部 部長
実行委員 依田智夫 (株)シナジー研究所 代表取締役社長
実行委員 川口恭伸 楽天(株) アジャイルコーチ
実行委員 竹政昭利 (株)オージス総研 エグゼクティブ・コンサルタント
実行委員 細川 努 (株)アーキテクタス 社長 総務省CIO補佐官
実行委員 鈴木雄介 グロースエクスパートナーズ(株)執行役員
執筆者一覧:エンタープライズアジャイル勉強会実行委員会

 

【編者紹介】エンタープライズアジャイル勉強会

 近年、日本でもスクラムのような比較的小規模なシステムのチームで、アジャイルを用いた開発が行われるようになりました。しかし、日本では既存の商習慣等の影響でチームレベルのアジャイルをより大きな組織やシステム向けに活用している企業はまだ少ないのが現状です。

 本勉強会は、チームレベルのアジャイルをよりスケールアップし、企業のビジネス競争力の向上に貢献している状態を「エンタープライズアジャイル」と呼び、日本の企業でのエンタープライズアジャイルの実現における障害とその克服、ビジネス上の効果などについて、会員が多様な観点で議論し相互研鑽することで、日本企業のビジネス競争力の強化に貢献することを目指しています。

本書スタッフ

  • アートディレクター/装丁: 岡田 章志 + GY
  • 編集: 深水 央
  • デジタル編集: 栗原 翔

サイトからのお知らせ

Twitterでつぶやこう!