Azure Central Azure逆引きリファレンス[PR]
Azureアカウントを取得したら最初にやっておくべき初期設定[PR]
Azureを使い始めたら、特に重要なセキュリティ設定を初めに済ませよう! Azureアカウント保護(二段階認証)/アクセス制御(IAM)/セキュリティセンターの設定方法を説明。さらに各種アラートの作成方法や、入門者にお勧めのコンテンツも紹介する。
クラウドプラットフォーム「Azure」を使い始める前に実施しておいた方がよいことの中で、主にセキュリティ関連の初期設定についてまとめる。
当然ながら、本稿の内容を実施する前には、Azureアカウントを作成しておく必要がある。Azureアカウントの新規作成時には、Microsoftアカウントの作成や、電話による本人確認、クレジットカードによる本人確認などが必要だったりするが(図1)、流れに沿って進めれば難しい点はないので、本稿では説明を割愛する。またAzureアカウントとしては、企業単位でOffice 365などを契約すると提供される「組織アカウント」も利用できるが、本稿では手軽に試用できるMicrosoftアカウントを前提に説明する。
Azureアカウントの保護に関する設定
真っ先に行うべきなのは、アカウントに関するセキュリティ設定だろう。まずは、アカウントによるログイン時の二段階認証の設定について説明する。
二段階認証
今やログイン認証では、パスワードだけにしておくのは(パスワード漏えいなどが)不安なので、スマートフォンによるセキュリティコード(=30秒程度で随時更新される一時的なキーコード)の入力などを組み合わせた二段階認証を採用するという人が少なくないだろう。Azureアカウントについても、クレジットカード情報も登録するクリティカルなサービスなので、ぜひ二段階認証にしておくことをお勧めしたい。そこで二段階認証の設定方法を説明するが、以下のとおりに実施するには、前提条件としてAndroid/iPhone/Windows Phone(Windows 10 Mobile)などのスマートフォンが必要になるので注意してほしい。
AzureアカウントはMicrosoftアカウントによるログイン機能にひも付いており、Azureアカウントを二段階認証にするにはMicrosoftアカウントのページで二段階認証の設定をする必要がある。具体的には、Microsoftアカウントの[セキュリティとプライバシー]タブを開き、[アカウント セキュリティ]の[その他のセキュリティ設定]をクリックして、あとは図2のステップで設定すればよい。
二段階認証で使える認証アプリには、マイクロソフト公式のMicrosoft Authenticator(iOS版/Android版/Windows Phone版)の他にも、Google Authenticator(iOS版/Android版)をはじめとする任意のものが使用できる。現在ではGitHubやGoogleへのログインなど、ほとんどの主要サービスで二段階認証を選択できるようになってきており、それらの二段階認証時のセキュリティコードの取得をできれば1つのアプリに集約した方が便利だ。よって好きな認証アプリを1つ選んで、それに集約すればよいだろう(もちろんMicrosoft Authenticatorに集約することも可能)。以下では、Google Authenticatorを使う場合(他の認証アプリを使う場合も同様の手順)と、公式のMicrosoft Authenticatorを使う場合を説明する(※複数デバイスでの使用にも対応しているAuthyを使えば、さらに便利だ。その使い方は、こちらの記事で説明している)。
Google Authenticatorなどの認証アプリを使う場合
Microsoft Authenticator以外の認証アプリを使う場合は、図2の最後に示した[認証アプリの設定]ページで[その他]オプションを選択して[次へ]ボタンをクリックする。あとは図3の手順を実行すればよい。
公式のMicrosoft Authenticatorを使う場合
Microsoft Authenticatorを使う場合は、上記の[認証アプリの設定]ページで[Windows Phone]/[Android]/[iPhone、iPad、または iPod touch]いずれかのオプションを選択して[次へ]ボタンをクリックする。あとは図4の手順を実行すればよい(図4はiPhoneの例だが、他のスマートフォンでも手順は変わらない)。
二段階認証の有効化
認証アプリの登録が完了したら、図5の手順で二段階認証を有効化する。
パスワードの変更、クレジットカード情報の編集など
パスワードの変更は[セキュリティとプライバシー]タブ、クレジットカード情報の編集は[支払と請求]-[支払いオプション]タブのように、セキュリティ/課金/個人に関する情報は、Azureポータルではなく、
のページに集約されているので、必要に応じて確認・変更するとよい。
アクセス制御(IAM: Identity and Access Management)の設定
Azureを使うのが1人であれば、誰がどの機能を使えるようにするかを意識する必要はないが、チームや組織など複数人でAzureを使う場合は、そのユーザーをAzureポータルに登録して、アクセス権限を付与・制限する必要がある。次にその手順を説明する。
Azureでは、RBAC(Roles Based Access Control、アールバック)という機能により、ロール(=役割)に基づく細かなアクセス制御が可能になっている。このRBACで設定した権限は、サブスクリプション→リソースグループ→リソースへと(ツリー構造の枝葉に沿って)継承されるので、(根元の)全体レベルで一括設定したり、(枝葉の)個別レベルで細かく設定内容を変えたりできる。
サブスクリプションレベルでのアクセス制御(IAM)の設定
まずはサブスクリプションでアクセス制御を設定する方法を見てみよう。なお本稿の例ではGUIを用いる。この方法以外にもPowerShellやコマンドラインインターフェース(CLI)などのCUIで処理を実行することも可能だ(設定処理を自動化したい場合は当然、この方法を採用すればよい)。
Azureポータルを開き、左側のハブメニューから[サブスクリプション]を選択して、あとは図6の手順を実行する。
図6の作業により、現在、追加されているユーザー/グループの一覧が表示される。この例では、Azureを始めたばかりなので、サブスクリプション管理用のユーザー(=[ユーザー]列の値が「サブスクリプション管理」で、[役割]列が「所有者」の行)が1つだけ追加されている。
それではここに新たなユーザーを追加して、そのユーザーに任意のロール(=役割)を割り当ててみよう。
新規ユーザーの追加と、ロールの指定
先ほどの[<サブスクリプション名> - アクセス制御 (IAM)]ブレードの上部にある[追加]ボタンをクリックすると、図7に示すようにユーザーを追加して、そのユーザーにロールを指定できる。
カスタムロールについて
初期状態の場合、図7のようにして指定できるのは、あくまで組み込みのロールのみである。欲しいロールが存在しない場合には、独自のカスタムロールを作成することもできる。
ただし現時点では、GUIでカスタムロールを作成することはできず、PowerShell/コマンドラインツール/REST APIを使う必要があるようだ。具体的には「公式サイト: Azure RBAC のカスタム ロール」を参照されたい。
ユーザーのグループについて
Azure Active Directoryのグループを使用してアクセスを制御することもできる。具体的には図8の手順で実行できる。
リソースグループ/リソースでのアクセス制御(IAM)の設定
Web Appなどの個別のAzureサービスはリソースとして管理され、複数のリソースはリソースグループというグループ単位にまとめられて管理される。そのリソースグループやリソースへのアクセス制御は、先ほどのサブスクリプションに対する方法と変わらない。
蛇足だと思うが念のため、アクセス制御(IAM)のブレードを開くまでの手順を簡単に示しておこう。なお、以下の例では事前に、Web Appを1つ作成する過程で、「azuredictionary」というアプリ名のリソースと、「azdict-group」という名前のリソースグループが作成されている。
図9がリソースグループの設定、図10がリソースの設定をしているところだ。
セキュリティセンター(Security Center)の設定
Azureでは、セキュリティの状態を把握したり、脅威を検出・予防したりできるセキュリティセンターというサービスが提供されている。セキュリティセンターではFreeとStandardの2つのプランが用意されている。両プランの機能差については、公式サイトの説明を参照してほしい。
Freeプランでも、セキュリティポリシーを設定してデータを収集し、脅威を監視したり、セキュリティアラートを発行したりといった、基本的なセキュリティ機能が使えるので、本稿でもこれを使うこととする。
セキュリティセンターを活用するには、セキュリティポリシーを設定する必要がある。以下では、Freeプランでセキュリティポリシーを設定するまでの手順を簡単に提示する。
リソースごとのアラートの作成
ここまでセキュリティ関連の初期設定の説明が続いたが、運用管理上のアラート(=警告のメール通知)もできるだけ早い段階で設定しておきたい項目の一つだろう。ということで、これについても簡単に触れておこう。具体的には図12の手順となる。
初めてAzureに触る方へのお勧めコンテンツ
締めくくりとして、初めてAzureを試してみる方に向けて、お勧めのWebコンテンツを紹介しておきたい。
【お勧めのAzure入門情報】:
- まだ知らない人のための最新Microsoft Azure入門
- Azure 入門学習資料のまとめ
- Azure公式ドキュメント
- クラウドコンピューティングの価格比較ツール(英語)
- Azure関連のSlideShare
- Azure関連のSpeaker Deck
【お勧めのAzure最新情報】:
- ブチザッキ | いわゆる雑記
- S/N Ratio (by SATO Naoki) | Microsoft Azure and more…
- Azureブログまとめ(英語含む)
- Azureブログまとめ(日本語のみ)
これらのリンク一覧は、Azure Centralページの上部にも掲載しているので、普段はぜひそちらから活用していただけるとうれしい。
※以下では、本稿の前後を合わせて5回分(第4回~第8回)のみ表示しています。
連載の全タイトルを参照するには、[この記事の連載 INDEX]を参照してください。
4. サーバーレス「Azure Functions」をスケジュール実行する方法(cronジョブ構文)[PR]
バッチジョブなどでスケジュール実行したいというニーズは多いだろう。サーバーレスでFunctionをスケジュール実行する方法を解説。cron構文によるスケジュールの指定方法も説明する。
5. 設計時に使えるAzure/AWSサービス・アイコン集とダウンロード方法[PR]
クラウド上のシステムやサービスを設計する際には、視覚的に分かりやすいアイコンを使おう。アイコンセットのダウンロード方法を示し、各アイコンを用いてAzure/AWSサービスの対応一覧表をまとめる。
6. 【現在、表示中】≫ Azureアカウントを取得したら最初にやっておくべき初期設定[PR]
Azureを使い始めたら、特に重要なセキュリティ設定を初めに済ませよう! Azureアカウント保護(二段階認証)/アクセス制御(IAM)/セキュリティセンターの設定方法を説明。さらに各種アラートの作成方法や、入門者にお勧めのコンテンツも紹介する。
7. iPhone/Androidの2段階認証アプリ「Authy」で複数デバイス対応(Microsoftアカウント編)[PR]
パスワード漏えい問題が頻発する現在ではログインの2段階認証は必須だ。人気アプリ「Authy」を使って、各種スマホ&PCブラウザーなど複数デバイスで2段階認証用のトークンを取得する方法を紹介する。
8. Azure VMでLinuxインスタンスを起動したら最初にやっておくべき初期設定[PR]
Azure仮想マシンでLinuxインスタンスを立ち上げたら、SSH接続のための設定や、スワップファイルの有効化、タイムゾーンの設定、Azure CLIのインストールは必ず行いたい。その設定方法を紹介する。