AngularJS TIPS
複数のコントローラー間で共有すべき値を管理するには?(constantメソッド)
より実践的なアプリ開発を行うためにアプリ固有の処理ロジック(今回はconstantメソッドにより管理する「値」)をサービスとして切り出し、それを呼び出す方法を説明する。
別稿「TIPS:複数のコントローラー間で共有すべき値を管理するには?(valueメソッド)」では、サービスを自作するための最もシンプルな方法として、value
メソッドを利用する方法について解説しました。このvalue
メソッドによく似たメソッドとして、constant
メソッドがあります。
constant
メソッドの構文はvalue
メソッドと同様ですので、さっそく具体的なサンプルも見てみましょう。以下は、別稿のサンプルをconstant
メソッドで書き換えた例です。
angular.module('myAppService', [])
.constant('AppName', 'AngularJS TIPS')
.constant('Creator', {
author: '山田祥寛',
updated: new Date(2016, 4, 15)
})
.constant('AppLog', function(message) {
console.log('[myApp]' + message);
});
|
<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS TIPS</title>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/angularjs/1.5.5/angular.min.js"></script>
<script src="scripts/constant.js"></script>
<script>
angular.module('myApp', ['myAppService'])
.controller('MyController', ['$scope', 'AppName', 'Creator', 'AppLog',
function($scope, AppName, Creator, AppLog) {
console.log(AppName);
console.log(Creator);
AppLog(Creator.author);
}]);
</script>
</body>
</html>
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AngularJS TIPS
{
author: "山田祥寛",
updated: Sun May 15 2016 00:00:00 GMT+0900 (東京 (標準時))
}
[myApp]山田祥寛
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value
サービスと同じ結果が得られますので、このコードでは違いは分かりません。では、config
メソッドを定義して、この中でconstant
サービス/value
サービスを呼び出してみるとどうでしょう(リスト2=constant
サービス、リスト3=value
サービス)。
<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS TIPS</title>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/angularjs/1.5.5/angular.min.js"></script>
<script src="scripts/constant.js"></script>
<script>
angular.module('myApp', ['myAppService'])
.config(['AppName', 'Creator', 'AppLog',
function(AppName, Creator, AppLog) {
console.log(AppName);
console.log(Creator);
AppLog(Creator.author);
}])
.controller('MyController', ['$scope', function($scope) {
}]);
</script>
</body>
</html>
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<!DOCTYPE html>
<html ng-app="myApp">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>AngularJS TIPS</title>
</head>
<body ng-controller="MyController">
<script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/angularjs/1.5.5/angular.min.js"></script>
<script src="scripts/value.js"></script>
<script>
angular.module('myApp', ['myAppService'])
.config(['AppName', 'Creator', 'AppLog',
function(AppName, Creator, AppLog) {
console.log(AppName);
console.log(Creator);
AppLog(Creator.author);
}])
.controller('MyController', ['$scope', function($scope) {
}]);
</script>
</body>
</html>
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constant
サービスは正しく呼び出せるのに対して、value
サービスは「$injector:modulerr」エラーとなり、サービスの注入で失敗していることが確認できます。
これは、config
メソッドが、サービスのインスタンスが生成される前に呼び出されるという性質を持っているためです。一般的なサービスは、サービスインスタンスの生成後に呼び出されるので、config
メソッドの中で呼び出すことができません。唯一、例外的にconfig
メソッドで呼び出せるのがconstant
サービスなのです。
constant
サービスでは、その性質上、config
メソッドで参照すべき情報――例えば、サービスの挙動を決定するような定数情報を定義するのが一般的です*1。それ以外のコントローラー/サービスから参照すべき情報は、value
サービスとして定義します。
- *1
constant
サービスは、constantという名前に反して、別に定数を定義しているわけではありません(後から値を変更することも可能です)。あくまで、用途として、サービスの設定情報(定数)を定義するために利用するサービスであるにすぎません。
処理対象:サービスの切り出し カテゴリ:基本
API:angular.Module カテゴリ:ng(コアモジュール) > type(型)
※以下では、本稿の前後を合わせて5回分(第62回~第66回)のみ表示しています。
連載の全タイトルを参照するには、[この記事の連載 INDEX]を参照してください。
62. モデルへの入出力に際して処理を介するには?(ng-model-options)
入力フォームとモデルをバインドした際に、独自のゲッター/セッター関数を仲介させることで、そのモデルに出し入れする値を検証/加工する方法を説明する。
63. 複数のコントローラー間で共有すべき値を管理するには?(valueメソッド)
より実践的なアプリ開発を行うためにアプリ固有の処理ロジック(今回はvalueメソッドにより管理する「値」)をサービスとして切り出し、それを呼び出す方法を説明する。
64. 【現在、表示中】≫ 複数のコントローラー間で共有すべき値を管理するには?(constantメソッド)
より実践的なアプリ開発を行うためにアプリ固有の処理ロジック(今回はconstantメソッドにより管理する「値」)をサービスとして切り出し、それを呼び出す方法を説明する。
65. アプリ内でよく利用するビジネスロジックを定義するには?(serviceメソッド)
より実践的なアプリ開発を行うために、アプリ固有のビジネスロジックをserviceメソッドによりサービスとして切り出し、それを呼び出す方法を説明する。
66. アプリ内でよく利用するビジネスロジックを定義するには?(factoryメソッド)
より実践的なアプリ開発を行うために、アプリ固有のビジネスロジックをfactoryメソッドによりサービスとして切り出し、それを呼び出す方法を説明する。