Build Insiderオピニオン：高岡大介（1）
世界は驚きに満ちている
「現場のエンジニアとして、日常で感じたこと」をゆるく書くコラム連載スタート。
ここ最近、驚きと感動を受ける毎日を過ごしています。
というのは、いきなり私事で恐縮ですが、少し前に第一子を授かることができました。子供の成長に感動しながらも、初めての育児で分からないことだらけ。どれくらいミルクをあげればいいのか、外で突然泣き出してどうすればいいのか焦ったり、夜中に急に熱がでて慌てたり、保育園や今後の教育などはどうすればいいのか、などなど。
自分はこんなにも無知だったのかと驚愕する半面、全く未知の領域を学べることは刺激的で楽しくもあります。昔から受け継がれてきた知恵はもちろん、現代の事情に合わせた育児や教育も多々あり、勉強することがたくさんあります。大変ではありますが、お子さんをお持ちの先輩がたは、皆さん同じような経験をされているのではないでしょうか。
これはエンジニア人生も同じだなぁ、と感じています。基礎となる考え方や技術があり、まずはそれらを理解しておくのが重要です。それだけでも広範囲で深い教養が必要ですが、さらに時代に合わせてどんどん出てくる新技術を日々勉強してキャッチアップしていかなければなりません。
しかし、なんとなく日々の業務をこなしているだけだと、どうしても自分の知っている範囲でしか物事を考えなくなってしまったり、新しい技術に挑戦することが億劫になってしまったりします。
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この記事のタイトルには、続きがあります。
世界は驚きと奇跡に満ちている。
しかし、人間は、その小さな手で目を覆い、何も見ようとしない。
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狭い世界しか見ておらず自分が一番だと勘違いしている人とか、重要な件を知ったかぶりして適当な返事をしたせいで、後でトラブルを招いたり、自分の価値観が唯一無二だと信じて他人にも強要したり……、段々愚痴になってくるのでこのへんにしておきます。
要するに、世界には自分が知らない素晴らしくて面白いことが山ほどあるのに、それがあることも知らない、想像できない人は残念ですよね。しかし、そうはいっても意識して外側に注意を向けていないと、なかなかそれは見えてきません。
普段とはちょっと違う分野の本を読んでみる、社外の勉強会に出かけてみる、Blogを書いて他の人からフィードバックをもらう、外側に意識を向ける方法はいろいろあります。自分の趣味などに結びつけて、直接業務とは関係ないエンジニアリングを楽しむのも1つです。
私はといえば、ベランダ菜園を始めようかと思っているのですが、水やりが続けられる気がしません。そこで湿潤監視と自動水やりをするためにArduinoを勉強中です。また、そのシステムは関数型で組みたいのですごいH本（＝『すごいHaskellたのしく学ぼう！］（オーム社））を読みながら、もちろん菜園のデータをビジュアライズするためにD3.jsを、とすでに手段が目的化してきていますが、それはそれで楽しく勉強できています。
今、さまざまな勉強会やハンズオン、ハッカソンなどが毎週末、どこかしらで何か開催されています。エンジニアは気軽に新しいことを勉強できる素晴らしい環境があります。これまで知らなかった世界を知り、新しいことができるようになるのは相当にエキサイティングです。せっかくそういう土壌があるのですから、楽しまない手はないですよね。
ぜひ新しいことにチャレンジして、新鮮な驚きと奇跡を体験して下さい。
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このコラムでは、現場のエンジニアとして、日常で感じたことをゆるく書いていければと思っています。よろしくお願いいたします。
高岡 大介（たかおか だいすけ）
大手外資系企業でエンタープライズシステムの開発、国立研究所にてセマンティックWeb/オントロジー関連の研究に従事し、 技術顧問、開発、執筆、講演などITに関する仕事に広く携わる。
2015年より取締役 兼 最高技術責任者（CTO）として株式会社オープンウェブ・テクノロジーにジョインし、TechFeedを開発。Webフロントエンドだけでなく、バックエンド、インフラなどシステム全体に関わる。
AITC運営委員（エバンジェリスト）、Sencha UG共同運営者などのコミュニティ活動、 HTML5Exports.jp エキスパート、Build Insider オピニオンコラム執筆など。
※以下では、本稿の前後を合わせて5回分（第1回～第5回）のみ表示しています。
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5. なぜ僕たちはこんなにもIoTに魅せられるのか
「あちら側」と「こちら側」。『Web進化論』から10年近くが過ぎようとしている中で、IoTによってネットとリアルの関係はどう変わろうとしているのか。
