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　JavaScriptライブラリの栄枯盛衰は、すさまじいスピードで進んでいる。2015年、本当に利用意向の高いJavaScriptライブラリはどれなのか。これを調査するため、Build Insiderではアンケート調査を実施した（※ちなみに、本稿とほぼ同じ質問内容のアンケート調査を毎年4月に実施している。この定点観測により、技術トレンドの推移を浮き彫りにしたいと考えている。その去年の結果はこちら）。

　さっそくランキングをジャンル別に紹介していこう

• JavaScript関連全体の動向： 人気ジャンル
• フレームワーク関連： MV*などのJavaScriptフレームワーク
• 各種アプリを支える技術＆ツール： altJS（JavaScript代替）／CSSプリプロセッサー（CSSメタ言語）／JavaScriptテストツール

JavaScript関連全体の動向

　まずは、どういったジャンルの人気が高いかをチェックしよう。

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人気ジャンル

　JavaScriptライブラリ／ツールの中で、実際のプロジェクトでの利用意向が高いジャンルは、以下の通りだった（上位5つ）。

• 1UIライブラリ（jQuery UI、Bootstrapなど）
• 2altJS（JavaScript代替。TypeScriptなど）
• 3MV*などの各種フレームワーク（ReactやAngularJSなど）
• 4DOM操作（jQueryなど）
• 5CSSプリプロセッサー（CSSメタ言語。Sassなど）

　次のグラフに示すように、「UIライブラリ」が55％と過半数で1位、AltJSが49％と約半数で2位となった。1年前同時期に断トツの1位だった「MVC（Model-View-Controller）系フレームワーク」は、約68％から43％へと、約25％も大幅下落しており、JSフレームワーク自体の人気に陰りがあるようだ。

フレームワーク関連

　ここでは、各JavaScriptライブラリの人気ランキングを紹介する。

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MV*などのJavaScriptフレームワーク

　今、最も人気があるJavaScriptフレームワークは次の4つとなる。

• 1AngularJS
• 2React
• 3Knockout.js
• 4Backbone.js

　1年前に続き、やはり「AngularJS」の人気が圧倒的だ。しかしながらパーセンテージで見ると、1年前の約72％から約54％へと、18％も下落している。

　比較的新しいフレームワークのReactが2位に入り、急成長中である（38％なので、まだ少し1位と差があるようだ）。逆に4位のBackbone.jsは、1年前から20％ほど減らしており、来年には上位から脱落そうである。

Web制作時に使えるJavaScript関連ツール

　続いて、JavaScript関連ツールの人気ランキングを紹介しよう。

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altJS（JavaScript代替）

　JavaScript言語をより効率的に記述できる代替言語／ツールでは、主に下記の2つが人気である。

• 1TypeScript
• 2CoffeeScript

　AltJSについては、TypeScriptの圧勝（79％）となっており、当分、この差は逆転できないだろう（※この調査項目は、来年以降はもう不要かもしれない）。

　今回、「altJSは不要」という選択肢も含めてみたが、1割程度のWebエンジニアが「不要」と答えている。特にHaxeは、1年前の15％から今回の4％へと比較的大きく人気が下降した。

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CSSプリプロセッサー（CSSメタ言語）

　altJSが出たので、次にCSSプリプロセッサーも見ておこう。下記の2つが人気だ。

• 1Sass（Syntactically Awesome Style Sheets）／SCSS
• 2LESS

　1年前は圧勝（75％）だったSass（SCSS）が、1位を維持しているものの49％となり、26％も減らしている。これによって、2位のLESSとの差が縮まっている。

　この質問でも「CSSプリプロセッサーは不要」という選択肢を含めたが、2割以上と、多くのWebエンジニアが「不要だ」と考えていることも分かった。この分野は決着が付いていない状況なので、来年もまたチェックしたい。

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JavaScriptテストツール

　最後に、JavaScriptコードをテストする際に使えるツールについても見ておこう。このジャンルでは、次の4つが人気だ。

• 1Jasmine
• 2Selenium
• 3JSLint
• 4QUnit

　依然としてJasmineが1位だ。が、今回、Webブラウザー自動実行ツールのSeleniumを選択肢に加えたところ、これが僅差で2位になっている。

　1年前と比較すると、Mochaが約41％から約11％と大きく下げている。

■

　以上の結果をまとめると、2015年春時点では、下記のJavaScriptライブラリ＆ツールの利用意向が高まっているので、ぜひその内容を押さえておこう（＋「jQueryで十分」というWebエンジニアも少なくないので、こちらも併せて習得しておきたい）。

• AngularJS（成長率の観点ではReact）
• TypeScript
• Sass（Syntactically Awesome Style Sheets）（もしくはLESS）
• Jasmine（やSelenium）

　全体的な印象では、AngularJSの人気が落ち着いてきており、その他の新しいJavaScriptフレームワークの勃興も比較的緩やかになってきている印象である。

　JavaScriptライブラリ以外にも、「Web技術の中で特に注目しているテクノロジがあれば、具体的にお聞かせください」という質問（自由回答形式）で、Web技術全般の人気動向を調査した。その結果、以下の人気順でWeb技術が注目されていることが分かった（※太字の項目は、去年にはなく今年新しく入った項目）。

• 1最新ASP.NET技術（MVC／Web API／SignalR含む）
• 2WebRTC
• 2HTML5
• 2TypeScript
• 2AngularJS
• 2WebGL
• 2React（およびFlux）
• 2Cordovaなどによるハイブリッドアプリ
• 3IoT＋Web技術
• 3Node.js
• 3Service Worker
• 3SPA（シングルページアプリ）
• 4その他： 「Ajax」「c3.js」「Chromium OS」「Reagent: Minimalistic React for ClojureScript」「Machine Learning」「Polymer」「Web Components」「WebStorage」「Web広告業界の裏側の仕組み」「コンテナー技術」「シームレスなオフライン対応」など

　以上、実際のWeb制作でJavaScriptライブラリ／Web技術を選択・学習する際の参考にしてほしい。

■

回答者属性

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年齢層

　年齢層は、前回（半年前）（※なお、1年前の調査は前々回に当たる）とほぼ同じで、23歳までの学生層が約5％、24～34歳の若手層が47％と、若い技術者が過半数だった。それ以降の35～44歳の中堅層が35％、45歳以上のベテラン層は13％となっている。

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職業

　「業務アプリ開発」と「Web開発者」が多い。これも前回とほぼ同じだが、「スマホアプリ開発者」と「ソーシャルゲーム開発者」がそれぞれ1つずつランクを落としている。

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プログラミング言語

　Webデザイン／開発で必須の「JavaScript」を使う人が60％を超えているのは当然として、「C#」も50％を超えて1位になっているのは、本サイトの特徴だろう。

　前回と比較すると、3位のJava開発者の回答者は前回より10％ほど減ったり、PHPが7％ほど増えたり、C言語が約6％減ったりしている。前回、目立ったSwiftについては、5.7％→3.8％になるなど、勢いが少し落ち着いてきたようである。

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作業用マシン

　圧倒的に「Windows」を使う人が多い（前回とほぼ同じ）。

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